Decryptによると、製薬大手のアストラゼネカは、デジタルヘルス新会社「Evinova」のスピンオフと立ち上げを発表した。同社は、アストラゼネカのエコシステム内で独立して運営され、デジタルソリューションを用いて医薬品開発を加速させることを目的としている。アストラゼネカのパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)は、エヴィノーバが持つ科学的専門知識とAIを活用したデジタル技術の大規模開発の実績を組み合わせることで、患者ケアの改善、医療変革の推進、二酸化炭素排出量の削減が可能になると考えている。
ウェアラブルデバイス、遠隔診療、スマートフォンアプリケーション、仮想現実や拡張現実を含むデジタルヘルス市場は、2032年までに9000億ドル規模になると予測されている。アストラゼネカは、臨床試験の80%近くが、その実施に要する時間と費用のために失敗し、試験開始から最終承認までの平均期間は7年以上であると主張している。Evinova社は、臨床研究機関であるParexelとFortreaの支援を受け、臨床試験のデザインと実施に当初は重点を置く。
人工知能は、医療、教育、防衛など複数の業界で主流となっている。技術大手のマイクロソフト、グーグル、アマゾン、メタは昨年、AIに多額の投資を行っている。エヴィノーバは、AIは地域や過去のデータに基づいて、試験の設計、コスト計算の自動化、試験の実行可能性の判断などのプロセスをスピードアップできると考えている。AIはまた、意思決定プロセスをスピードアップし、臨床試験の時間とコストを削減できる可能性がある。