17カ月ぶりの安値を付けたイーサが強気を維持する3つの理由

Author: Marcel Pechman Source: Cointelegraph Translated by Good Oba, Golden Finance

投資家が世界的な関税戦争を背景に安全を求め、短期債券や現金ポジションにシフトしたため、イーサは3月8日から3月11日にかけて13％下落した。

世界的な関税戦争と景気後退への懸念が高まる中、投資家は安全を求め、短期の債券や現金ポジションにシフトした。

エーテルが2,500ドルに戻るには29％上昇する必要がある。

米国がカナダの電力サーチャージに対して報復措置を取ったことで、市場の懸念はエスカレートした。

スタンダード＆プアーズ500指数先物（左、マゼンタ）対イーサ/米ドル（青）。イーサ/米ドル（青）。Credit: TradingView/Cointelegraph

多くの場合、トレーダーは過剰反応する傾向があるため、市場のセンチメントが改善した後、イーサが他の資産よりも急速に上昇する可能性が高まります。リスク資産をインフレや経済成長データに左右されると見る向きもあれば、景気刺激策や金融の拡大次第で上昇すると見る向きもある。

次の強気相場のきっかけが何であれ、イーサリアムの価格が2,500ドルに戻るには、現在の1,940ドルから29％上昇する必要がある。そのためには、現在5カ月ぶりの低水準にあるレバレッジを効かせた買い手からの需要が増加する必要がありそうだ。

ETH2ヶ月先物の年率換算プレミアム。出所：Laevitas.ch/Cointelegraph

トレーダーは決済期間の長期化を補うため、より高い価格を求めているため、中立市場では年率5％から10％のプレミアム（ベーシス・レート）が予想されます。レートがこの範囲（例えば現在4.5%）を下回る場合、これは強気の確信が弱いことを示している。

3月10日から3月11日の間に2億3500万ドルのレバレッジをかけたロングポジションが清算されたため、過度の楽観主義がイーサの最近の反落に一役買った。

パニック売りがイーサリアムを1,744ドルという2023年10月以来の安値水準まで押し下げた。しかし、いくつかの指標は、イーサリアムのデリバティブとオンチェーンメトリクスが回復力を示すことから、回復の可能性を指摘しています。

イーサレイヤー2ネットワークの成長

イーサは、2021年11月の史上最高値4,868ドルを60%下回る水準で取引されています。この下落は主に、スマートコントラクト空間における競争の激化と、フライホモジナストークン（NFT）、ゲーム、コレクターズアイテム、メタ宇宙プロジェクト、ソーシャルネットワーク、Web3インフラストラクチャなどのアプリケーションに対する需要の弱まりによるものです。

しかし、この見方は重要な要素を見落としています。2021年末には、平均取引手数料は50ドルを超えており、イーサネットのレイヤー2エコシステム上のアクティビティは、現在よりも97％低下していました。

参考までに、イーサ・レイヤー2のベースレイヤーにおけるトークン交換のコストは、1秒あたりの1日の平均操作数が伸びているにもかかわらず、3月11日には1.70ドルであり、ネットワーク効率の著しい進歩を裏付けています。

イーサリアムのレイヤー2の1日1秒あたりの平均オペレーション。出典：L2beat

ボットがレイヤー2トランザクションの80％を生成しているとしても、ベース、アービトルム、オプティミズム、ZKsync、ブラストの残りの20％の活動は、イーサベースレイヤーの約3倍です。しかし、批評家には正当な主張があります。ネットワーク活動の急増にもかかわらず、検証者が受け取る収益は2021年末と比べて大幅に減少しているのです。

イーサがDEXのリーダーシップを取り戻し、TVLは成長

イーサは、伝統的な金融機関の投資家にとって2番目に人気のある選択肢としての地位を固め、89億ドル（約9,000億円）の資金に支えられています。

イーサは、伝統的な金融機関の投資家にとって2番目に人気のある選択肢としての地位を固め、89億ドルのスポット上場ファンド（ETF）に支えられた。

一方、ソラーナのような競合他社は、同様のETF商品の規制当局の承認を待っている段階だ。仮に承認を得たとしても、店頭市場で2019年6月に公開取引を開始したグレイスケール・イーサリアム・トラストの先行者利益には及ばないだろう。

さらに、総ロックイン価値（TVL）で測定されるイーサリアムスマートコントラクト預託金は、3月11日にETHベースで2022年7月以来の高水準に達し、過去2週間で10％上昇した。

ETH Network TVL, ETH.出典：DefiLlama

EtherのTVLは2400万ETHに達し、流動性誓約、融資、収益養殖、実世界の資産トークン化の成長に牽引されました。DefiLlamaのデータによると、このネットワークは最近、分散型取引所（DEX）の取引高で首位に返り咲き、7日間で205億ドルに達し、Solanaの139億ドルを上回りました。

このことから、イーサリアム価格は強気の見通しとなっており、レイヤー2の取引量が史上最高値に近づいていること、DEXの取引量が首位を奪還していること、TVLの入金量が伸びていることが要因となっています。

結局のところ、イーサにおけるトレンドの反転は、依然としてマクロ経済の改善に大きく依存していますが、いったん安定すれば、イーサは重要なサポートレベルとして、今後数週間で2,500ドルに戻ることが十分に可能です。