OPメインネットで免許不要の故障証明システムが稼動 機能の概要を紹介

著者: The Optimism Collective & Op Labs; 翻訳者: 0xjs@GoldenFinance

2024年6月10日、ガバナンスが承認した無許可のフォールトプルーフがOPメインネットで稼働し、OPスタックはステージ1に入りました。これはスーパーチェーンにとって大きなマイルストーンです。これはスーパーチェーンにとって大きな節目であり、まもなくBase、Metal、Mode、Zoraを皮切りに、より多くのOPスタックチェーンがこの機能を含むようにアップグレードされる予定です。

ライセンスレスのフォールトプルーフシステムにより、ETHとERC-20トークンを信頼できる第三者の関与なしにOPメインネットから引き出すことができます。これはまた、プロトコルに参加したいユーザーであれば誰でも、無効な引き出しに挑戦して削除できることを意味します。Proof of Failureシステムへの参加はライセンスフリーですが、Optimismセキュリティ委員会は、システム障害が発生した場合に介入し、システムをライセンス状態に復旧させる権利を留保します。このバックアップを持つことは、責任ある安全な故障証明システムの展開の一部であり、Optimism安全委員会は、L2Beatの確立された業界標準のステージ1の定義に適合しています。

プルーフ・オブ・フェールシステム（Proof of Failure System）の概要

完全に機能するプルーフ・オブ・フェールシステム（Proof of Failure System）は、完全な分散化への道を開く機能によって、ブリッジされたETHとERC-20トークンのセキュリティを強化します。

改善された信頼モデル 

ライセンス不要のProof of Failureシステムにより、ユーザーはシーケンサーやその他の中央集権的インフラストラクチャなどの信頼できる第三者を介さずに、ETHとERC-20トークンをL2からL1に引き出すことができます。 

これは、引き出しが出力ルートを公開する特権的な提案者の役割に依存しなくなったことを意味します。その代わりに、誰でも障害論争システムを通じて出力提案を公表できるようになりました。出力提案はL2の状態について声明を出します。いったん最終決定されると、その声明は特権的なアクションなしに撤回を促進するために使用できる。たとえ評議会が撤回を取り消したとしても。

誰でもセキュリティに貢献できる

プロトコルに参加したいユーザーは誰でも、無効なプロポーザルに挑戦し、削除することができる。

Dispute Gameは出力プロポーザルの妥当性を決定するメカニズムを提供します。誰でも、関連する論争ゲームに参加することで、出力プロポーザルの有効性に挑戦することができます。各アクションにはETHボンドを置く必要があり、不誠実なボンドはガス代をカバーするために誠実なボンド保有者に支払われます。

セーフティネットとしての安全評議会

Vitalik Buterin氏がRollup分散型ビジョンで概説したように、アドホックなトレーニングホイール、緊急時にプルーフ・オブ・フェールシステムを凌駕する安全メカニズムが存在し得ます。このため、Optimism Collectiveのセキュリティ委員会がバックアップとして機能する、ライセンス不要のプルーフ・オブ・フェイル・システムが導入された。75％の署名しきい値で、障害証明システムの障害や手動アップグレードの際に介入することができる。

このシステムは信頼の前提を減らし、完全な分散化への道を開きます。OP Labsチームのロードマップは、OPスタックの分散化の第2段階を目指しており、技術が安全であることが証明されれば、セカンダリホイールは取り除かれます。

多重保護のためのモジュール設計 

Proof of Failureシステムのモジュール性により、追加の証明メカニズムの統合が可能になり、将来の多重証明システムのための強固な基盤が提供されます。このアップグレードに含まれるスマートコントラクトフレームワークのおかげで、追加の証明システムを簡単に追加することができます。 

これらの証明は協調して機能するため、生産時にセキュリティの強化されたレイヤーを提供します。これは、OPスタックがステージ2の分散化の達成に向けて進むにつれて、その後のアップグレードにおける信頼の前提をさらに減らすことになります。

しかし、OP Stackは障害証明の実装だけではステージ1に到達しません。システム特有の追加的な保護機能により、エラー発生時に安全委員会が迅速かつ効果的に行動できるようになっている。保護機能が作動した場合、引き出しはリセットされるため、保留中の引き出しはすべて再認証が必要となる。セキュリティは、OPスタックに組み込まれたすべてのものに対する第一の考慮事項であり、これらの取り組みとプルーフ・オブ・フェイルの取り組みを組み合わせることで、OPスタックはステージ1の機能まで引き上げられる。

ネクストストップ：ステージ2

2022年、Vitalik氏は、L2がトレーニングホイールから完全な分散化へと徐々に移行する方法のフレームワークについて概説しました。プロジェクトが進むにつれて、練習用の車輪を取り除き、フェーズ0からフェーズ1、そして最終的にはフェーズ2の分散化へと進むことができます。

OPがフェーズ1のセキュリティモデルに自信を持ち、コア開発チームとエコシステムで最も尊敬され勤勉なセキュリティ監査人たちが、どのような状況下でもシステムを安全に保つセキュリティ・カウンシルの能力を徹底的に検証した今、次のステップはフェーズ2に向けて取り組むことです。次は7月に予定されているDispute Game自体の監査だ。

しかし先を見据えるなら、第1段階を超えることが重要だ。

L2はさまざまな開発段階にあり、これらのプロジェクトはエコシステムを構築し、同時にコードを強化することがよくあります。プロジェクトが成熟するにつれ、そのコードは洗練され、分散化が進みます。初期のセキュリティ対策や「ヘルパー」はもはや必要ありません。

「プルーフ・オブ・フェイル（Proof of Failure）」の開始について。OPメインネットでのProof of Failureの開始、ハイパーチェーン・エコシステムにおける他のOPスタックチェーンへの機能拡張、そしてステージ1の分散化の達成は重要なマイルストーンである。しかし、最終目標はステージ2の分散化です。

現在のProof-of-failureシステムは、「マルチプルーフの涅槃」を達成するための土台を築くもので、OPスタックそのものと同様に、オープンソースでモジュール設計となっています。このフレームワークは、OPスタックが、現在のシステムであるキャノンと同様に、ゼロ知識証明を含む複数の証明システムをサポートできるように設計されています。 OPスタックチェーンからイーサへのドローダウンを確実にするために、冗長な証明スキームを本番稼動させることで、安全委員会の役割を、不一致の場合にのみ証明の取捨選択を行うことに限定することができます。

失敗証明システムは、OP Labs、Base、Sunnyside LabsといったSuperchainの開発者のコアチームによって構築され、テストされました。この共同アプローチが今回のリリースを可能にした。また、Proof of Failureの提案は、Optimismのトークン・ハウスと市民ハウスによって承認され、Optimismが管理する2段階の承認プロセスを通過しました。

今後数ヶ月の間に、AsteriscやKonaを含む他の証明システムをテストネット上に展開することを目指します。これらの冗長証明スキームの信頼性と堅牢性を証明することは、Superchainが分散化の第二段階を達成する助けとなるでしょう。

私たちは、Proof of FailureのローンチとOPスタックの第1フェーズ入りを祝うとともに、Superchainが完全に分散化された未来を実現するための前途を楽観視しています。