ヤフー・ニュースによると、KKR香港のアジア・クレジット部門責任者であるブライアン・ディラード氏によると、アジアのプライベート・クレジットへの投資は、アジアにおけるプライベート・デット・キャピタルの供給が少ないこともあり、欧米の同様の案件よりもプレミアムがつく可能性があるという。KKRは最近のリポートで、プライベート・エクイティとプライベート・デットの運用資産の比率は、米国が5.2倍、欧州が3.5倍であるのに対し、アジア太平洋地域は30.8倍であると推定している。
ディラード氏は、アジアにおけるプライベート・クレジットの成長は今後も続くと見ている。同地域の企業は、欧米の競合他社ほど資本にアクセスできないが、これは時間の経過とともに変化していくとディラードは考えている。プライベート・クレジットの資金調達が増加しているにもかかわらず、世界のプライベート・クレジットに占めるアジアの運用資産の割合は過去5年間で8%から6%に減少している。
アジアにおけるプライベート・クレジットの需要は旺盛であり、同地域に特化したプライベート・クレジットの量は比較的少ないため、欧米と比較してリターン・プレミアムが生じている。このプレミアムは、オーストラリアのスポンサーが支援する直接融資取引で50から100ベーシス・ポイント、東南アジアの管轄地域で資本構成のさらに下位にあるものでは4から5パーセンテージ・ポイントに及ぶ。平均すると、このプレミアムはアジア全体で約2~3%ポイントである。
アジアにおけるプライベート・クレジットの需要の高まりは、事業が大規模化し、地理的に多様化しているため、さまざまなタイプの資本に対する需要が拡大していることに起因している。さらに、アジアのプライベート・エクイティは現在、欧州のプライベート・エクイティの2倍の規模だが、プライベート・デット市場は約4.5倍と小さい。