仮想通貨取引所ビットメックスの共同創設者ベンジャミン・デロ氏が、マネーロンダリング対策法である銀行秘密法(BSA)違反の罪で30か月の執行猶予を言い渡された。
6月15日にニューヨークの連邦裁判所で言い渡された今回の判決は、同氏が「BitMEXでの職務においてマネーロンダリング対策(AML)プログラムの受け入れ、実施、維持を意図的に怠った」として2月に起訴された容疑に続くものだ。
検察側は、デロ氏には懲役1年、あるいは5月にアーサー・ヘイズ元最高経営責任者(CEO)に言い渡されたように、少なくとも2年間の保護観察と6カ月の自宅拘禁を課すべきだと主張していた。
デロにとって、彼の軽い判決は、2020年10月に始まり、共同創設者のヘイズ氏とサミュエル・リード氏、そしてBitMEX初のフルタイム従業員であるグレゴリー(グレッグ)・ドワイヤー氏が同様の罪で告発された法廷闘争に終止符を打った。
ジョン・ケルトル判事は、デロの違反行為は「非常に深刻」であるとし、ビットメックスがAMLと顧客確認(KYC)システムを導入していないことで米国法に違反していることは承知していると述べた。
しかしケルトル判事は、取引所が後に問題を修正し準拠するための措置を講じたと指摘した。
デロ氏は法廷で「振り返ってみると、我が国の制度の欠陥に根本的に対処できていないことが分かる」と述べ、自身を司法制度と接触させた行為を深く遺憾に思っていると付け加え、これで司法制度は終焉を迎えると誓った。彼と司法制度との関係 司法制度への最後の仕上げ。
ケルトル判事は香港在住の英国人として、デロ氏に香港での保護観察を与えるよう命じた。
ケルトル判事はまた、商品取引所法の特定の側面に違反したとして商品先物取引委員会(CFTC)が起こした民事訴訟の和解として、デロ氏が5月から1,000万ドルの罰金を支払ったことも考慮した。
デロ被告の弁護団の広報担当者は量刑公聴会後、裁判所が「この事件におけるBSAの申し立ての深刻さを誇張しようとする政権の冷笑的な試み」を却下したことをうれしく思っていると述べた。
デロ氏の弁護士は、デロ氏が近く米国を出国して香港に向かうつもりだと述べた。
一方、オーストラリア生まれでBitMEXの元事業開発責任者、グレッグ・ドワイヤー氏は現在バミューダに住んでおり、公判前書類の提出期限を延長するようニューヨーク連邦裁判所と交渉しているとシドニー・モーニング・ヘラルド紙が報じた。
ドワイヤーさんの弁護士が法廷に送った書簡には、「両当事者はこの問題の解決の可能性について引き続き協議している」と書かれていた。