a16z：共有シーケンサーネットワークEspressoに2800万ドルの投資を行った理由

著者：Ali Yahya（a16zパートナー）、翻訳：Golden Finance xiaozou

注：2024年3月21日、a16zは共有シーケンサーネットワークであるEspressoに2,800万ドルのシリーズBラウンドの資金調達を行ったことを発表しました。p>

イーサリアムのスケーラビリティの最終目標は、ロールアップのすべてです。潜在的には何百万ものロールアップがあり、それぞれがイーサリアムの安全な基盤の上に構築されたミニエコシステムやアプリになります。ヴィタリックは数年前、有名なロールアップ中心のロードマップ記事でこのアイデアを初めて紹介した。それ以来、zkSync、Optimism、Polygonといった他のエコシステム参加者は、ハイパーチェーンのロードマップを使ってこのビジョンを拡張してきた（PolygonはAggLayerロードマップを使っている）。イーサネットは初めて、数百万のアプリケーションと数十億のユーザーをサポートするためのスケールに明るい道筋を見た。

しかし、この計画に制限がないわけではありません。ロールアップ中心の将来における最大の問題は、イーサネットのエコシステムの断片化です。現在、イーサネットのメインチェーン上のすべてのアプリケーション（つまりスマートコントラクト）は、他のアプリケーションとシームレスに相互作用することができます。何百万ものロールアップが存在する世界では、アプリケーションとのコンポーザビリティはより困難になるだろう。なぜなら、個々のロールアップはそれぞれ独立したブロックチェーンだからだ。それらはイーサのセキュリティを共有するが、計算は独立して行われる。各ロールアップはいわゆる「シーケンサー」によって駆動され、このシーケンサーは現在、サーバー上でロールアップのすべての計算を行う中央集権的な当事者に属している。

今日、あるロールアップ上のアプリケーションが別のロールアップ上のアプリケーションと相互作用したい場合、エセリウムのメインチェーンかブリッジを経由して行う必要がある。どちらの方法も時間がかかり、開発者がロールアップ間で状態を同期させることは困難です（これらは非同期ソリューションです）。より理想的なシナリオでは、異なるロールアップのシーケンサーが互いに協力するメカニズムがあり、開発者とエンドユーザーにとって、よりスムーズで、より速く、より安価な相互運用性が実現します。

1,Espressoチーム

Espressoシステムを紹介する前に、その背後にあるチームについて少しお話したいと思います。ベン・フィッシュとベネディクト・ビュンツは、私がa16zに参加する前から知っていました。2017年の初め、私はグーグル・ブレインで働いていて、ベンもベネディクトもスタンフォード大学のダン・ボネ教授の下で博士課程の学生をしていました。ダンのおかげで、私たちはお互いにつながることができ、現在a16z暗号ポートフォリオ企業の一部であるEcoとなる新しい暗号会社のアドバイスのために一緒に働くことができました。彼らの技術的な素晴らしさにとても刺激を受けたことを覚えています。一時は、当時彼らがしていたように、ダンの指導の下で暗号学の博士号を取りたいとさえ思いました。

私がベンについて最も感銘を受けたのは、最低レベルの暗号プリミティブから、個々のビジネスや製品に関する考察、そして最も広範な社会的影響に至るまで、あらゆる抽象化レベルで彼が構築している新技術について明確に考える能力でした。私は、彼が学究的な役割からスタートアップの創業者兼CEOへと必然的にシフトしていくことを予想すべきだった。

結局のところ、私は博士号を取らなかった。その代わりにグーグルを辞め、ベンチャーキャピタリストとしてa16zに入社した。その後間もなく、暗号通貨サークルを通じてジル・ガンターと知り合い、彼女がスロー・ベンチャーズで働いていたときに急接近した。ジルについていつも感心させられるのは、彼女のクレイジーな戦略的思考能力だ。彼女は、世界がどのように機能し、人々がその中でどのように活動するかについて、最も鋭い直感を持っている。だから、彼女が2021年にベン、ベネディクト、チャールズ・ルーとエスプレッソで一緒になったとき、それに気づかないはずがない。

エスプレッソでの仕事を通じて、技術に精通し、エスプレッソの他のみんなと同じようにスタンフォード大学でダンと働いていたチャールズとも知り合いになった。しかし、最も重要なことは、彼の優れた運営能力によって、ベン、ベネディクト、ジルにとって完璧なパートナーとなったことだ。チャールズがいなければ、エスプレッソは今の姿ではなかっただろう。

昨年、Etherのロールアップベースのロードマップの限界が明らかになるにつれ、ベンと彼のチームは、断片化問題に対する、これまでに聞いたこともないような説得力のある解決策を私たちにもたらしました。

2,Espressoシステム

Espressoは、ロールアップシーケンサーの調整機構として機能する分散型ネットワークを構築しています。シーケンサーの調整メカニズムとして機能する分散型ネットワークを構築している。これは、シーケンサーが自分のブロックスペースを売るか、ロールアップ全体でトランザクションの順序を統一するメカニズムに参加できるマーケットプレイスです。Espressoでは、ロールアップはネットワーク上で入札するブロック提案者にブロック構築権を売ることができる。これらの提案者は同時に複数のロールアップ・ブロックに入札することもでき、複数のチェーンの共同提案者となる。これにより、ロールアップは独立して成長を続けながら、他のロールアップとよりシームレスに相互運用することができます。

要するに、暗号は、より大規模な人間の共同作業のためのより良いツールを生み出す技術的な動きであり、特に共同作業を行う当事者がお互いを信頼していない場合に有効です。

私たちは、ベン、ベネディクト、ジル、チャールズ、そしてエスプレッソチームと協力して、よりシームレスで相互運用可能な未来をイーサにもたらす手助けができることに興奮しています。