ミラ・ムラーティ、AIに革命を起こす「Thinking Machines Lab」を設立
OpenAIの元CTOであるミラ・ムラティが、Thinking Machines Labという新しいベンチャーを立ち上げた。
このAIスタートアップはすでに、OpenAI、Meta、Mistralといった大手企業から約30人の熟練した研究者やエンジニアを集めている。
同社は、人工知能システムをより適応性が高く、倫理的で、幅広い産業で利用しやすいものにすることを目指している。
競合他社の人材がスタートアップのコアチームを強化する
ムラーティの新会社は、OpenAIの元従業員を中心に構成された強力なチームによって、すぐにその地位を確立した。
特に注目すべきは、著名なAI研究者であるバレット・ゾフが最高技術責任者(CTO)に就任したことだ。
ゾフは9月下旬、ムラティと同じ日にOpenAIを去った。
同社は、Thinking Machines Labのチーフ・サイエンティストを務めるOpenAIの共同設立者ジョン・シュルマンも惹きつけている。
シュルマンは今年初めにOpenAIを退社し、AIのアラインメントに専念している。
ロイター通信によると、オープンエイの元従業員は今後数ヶ月のうちにさらに入社する予定だという。
関係者によれば、Thinking Machines Labは現在、ベンチャーキャピタルからの資金調達の交渉中だという。
AIアライメントが新スタートアップの使命の中心となる
Thinking Machines Labの重要な焦点のひとつは、AIのアライメント(人間の価値観や倫理原則をAIシステムに組み込むプロセス)である。
開発者たちは、AIシステムが人間にとって有益で安全な方法で行動することを保証しようとしている。
彼らのブログ記事にあるように、このスタートアップのミッションは、人間の価値観をAIシステムにエンコードし、現在のモデルが提供するよりも広範で実用的なアプリケーションを可能にすることだ。
ムラーティは、AI開発の研究側と製品側のギャップを埋めるという目標を表明している。
発表の中で同社はこう述べている、
現在のシステムがプログラミングや数学を得意とする一方で、我々は人間のあらゆる専門知識に適応し、より幅広い応用を可能にするAIを構築している;
オープン・サイエンスがスタートアップのアプローチの柱に
Thinking Machines Labは、オープン・サイエンス・アプローチの育成にも注力すると表明している。
同社は、研究発表、コード、データセット、モデル仕様をより広範なAIコミュニティと共有し、この分野の発展に貢献する計画だ。
この透明性へのコミットメントが、Thinking Machines Labを他の競合他社と一線を画す存在にしている。
ムラティは、同社がコラボレーションとオープンな知識の文化を通じて、AIシステムの理解に貢献することを強調した。
ムラーティはXへの投稿でこう語っている、
我々は3つのものを作っている:
- それぞれのニーズに合わせてAIシステムを適応させる手助けをする
- より有能なAIシステムを構築するための強固な基盤の構築
- 分野全体がこれらのシステムを理解し、改善するのに役立つオープンサイエンスの文化を育む。
AIのリーダーシップとビジョンの実績
2024年9月にOpenAIを退社する前、ムラティは世界的に認知されたAIチャットボット「ChatGPT」の開発に尽力していた。
彼女のキャリアの軌跡は、テスラやAR(拡張現実)スタートアップのリープ・モーションなど、著名なハイテク企業でリーダーシップを発揮してきたことに表れている。
Thinking Machines LabではCEOに就任し、AI業界でリーダーシップを発揮し続けている。
Thinking Machines Labは、人工知能により人間中心のアプローチを提供し、パワフルなだけでなく、様々な分野で使用可能で有益なツールを提供することを目指している。
AIが急速に進化し続けるなか、ムラーティの最新ベンチャーはこの分野に新たな視点をもたらすことを約束する。
同社は倫理的なAIに焦点を当てており、多くの業界関係者がその開発に注目している。
シンキング・マシーンズ・ラボはチームを拡大し、資金調達に乗り出すことで、急速に変化するAI業界でより大きな役割を果たせるよう自らを位置づけている。