パンテーラ：なぜワールドコインに投資したのですか？

Author: Cosmo Jiang, Cody Poh Source:Pantera Capital Translated by Good Oba, Golden Finance

私たちは、ブロックチェーンが人工知能の時代にどのようにフィットするかを検討するために多くの時間を投資してきました。「実在の人物の証明」は特に顕著な方向性です。将来、AIエージェントやAIが生成したコンテンツがユビキタス化したとき、相手がロボットではなく本物の人間であることを見極める必要性が飛躍的に高まるだろう。ボットとの対話は、ほとんどではないにせよ、いくつかの場面ではまったく問題なく、歓迎さえされていますが、特定の重要なシナリオ（広告、出会い系、政府サービスなど）では、独立した実在の人物の認証の必要性が非常に高まっています。では、グローバルで検閲に強く、個人の身元を検証可能な認証を行う最善の方法は何だろうか。答えは無許可ブロックチェーンです。

World（旧Worldcoin）は、「Proof of Personality」（人格の証明）を中核コンセプトとし、グローバルでプライバシー重視のアイデンティティと金融ネットワークを構築するブロックチェーンプロトコルである。」（人格証明）をコアコンセプトとしています。認証プロセスにおいて、Worldは虹彩スキャンハードウェアデバイスであるWorld Orbを通してユーザーの虹彩を認識し、認証された人間それぞれにWorld IDを発行し、Worldchainブロックチェーンに記録する。Tools for Humanity（TFH）は、Worldテクノロジーを開発し、世界中にユーザーを拡大している企業である。ツールズ・フォー・ヒューマニティ（TFH）は、ワールド・テクノロジーを開発し、その世界的なユーザーベースを拡大している企業です。WLDはWorldプロトコルのネイティブトークンで、グローバルなインターネット通貨およびガバナンストークンとなる予定です。

OpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、Worldの共同設立者でもある。彼がWorldを共同設立したのは、AIコンテンツで溢れる未来において、人間がスポットライトを浴び続け、検証され、尊敬を享受する手段が必要だと予見したからだ。広く利用できるようになれば、Worldはスケーラブルで信頼でき、プライバシーを保護するインターネット上の人間と機械のアイデンティティのグローバルなセットを提供することになる。

私たちのチームにとって、この1年は、サム・アルトマン氏、TFH CEOのアレックス・ブラニア氏、そしてWorldの他のチームと会い、話をする機会に恵まれたという点で注目に値するものでした。ワールドは4月30日に最新の公開イベントを開催し、ワールドの製品計画と成長戦略を投資家やこの分野に関心のある人々に発表した。これに触発され、我々はワールドの投資論、ワールドの立ち位置、そして将来への展望をまとめた。

投資論の要約

人間とAIが共存する未来において、ワールドの「本物の人間であることを証明する！"プログラムは、人間とAIが共存する未来において、重要なインフラになると考えています。

1. 人間であることの証明は重要なツール：

   自律的なAIエージェントやAIが生成するコンテンツが大規模に出現した場合、商業や行政の場面で「実在する人間のユニークな認証」の必要性が飛躍的に高まるだろう。極端な話、AIが人間の労働力を劇的に代替し、雇用構造の変化やユニバーサル・ベーシック・インカム（UBI）の必要性さえももたらすようになれば、個人が実在の人物であることを認証するプログラムが不可欠になるだろう。

2. 優れた認証ソリューション：

   ブロックチェーン技術で保護されたワールドのバイオメトリクス・ソリューションは、地理的な広がりや検閲への耐性という点で、既存の政府や政府のバイオメトリクス・ソリューションよりはるかに優れています。地理にまたがり、検閲への耐性という点で、既存の政府や民間のIDソリューションをはるかに凌駕しています。

3. Early growth signals are evident：

   設立から2年足らずで、Worldネットワークは1200万人以上のユニークな人間を認証しました。

5. ワールドネットワークは設立から2年足らずで、1200万人以上のユニークな人間を認証しました。

6. 経験豊富なリーダーシップ：

   サム・アルトマンは、OpenAIの共同設立者の一人として、Worldのグローバルな信頼構築能力と国境を越えたコラボレーションへのアクセス能力を劇的に向上させました。信頼を築き、国境を越えたコラボレーションを確保し、世界規模で政策的な支持を集める能力を。

Application Scenarios and Future Potential for World ID

私たちは、「人々の証明（proof of people）」が多くの応用シナリオにとって重要であると考えています。「また、World IDは、特に広告や政府サービスなどの大規模な市場で、大規模に適用された場合、非常に大きなビジネスの可能性を秘めています。広告市場は1兆ドル市場であり、政府サービスは米国のGDPの25％を占めています。これらの市場でほんのわずかな価値の増加を提供するだけで、Worldにとって大きな成長機会となります。

Worldは現在、ゲーム、オンライン・デート、ソーシャル・ネットワーキングの3つの主要なシナリオに注力しており、そこでは実在の人物とボットを区別することで、ユーザー体験を劇的に向上させる取り組みを行っている。

• ゲーム: Razerは自社のプラットフォーム上でRazer IDを稼働させます。Razer IDは2025年第2四半期にTokyo Beastと共にプラットフォーム上で稼働します。

• Dating: Worldは最近、オンラインデート大手のMatch Groupとの提携を発表しました。オンライン・デート大手のマッチ・グループは、ボットや偽アカウントを劇的に減らし、セキュリティと信頼を向上させることを目標に、ワールドIDを通じてプロフィールの検証を完了する。

• ソーシャル：ワールドはワールドアプリでワールドチャットを開始し、認証された実在の人々が安全にコミュニケーションできるようにしました。

• 広告: 日本で2番目に大きいマーケティング会社である博報堂は、機械制御の広告詐欺をなくすために、不正行為に強い広告ネットワークを構築するためにワールドIDを利用する予定です。

ミニアプリのエコシステムにおけるWorld IDの可能性も説得力があります。 World Appは現在300以上のミニアプリを市場に出しており、そのすべてがWorld IDだけでなくWorld App Walletを呼び出すことができるため、イノベーションとコンセプトの実証を実験する豊かな場を提供しています。World Appは現在300以上のMini Appsが稼動しており、その全てがWorld IDとWorld App Walletを呼び出すことができ、イノベーションと概念実証のための豊かな場を提供している。

• Kalshi：認証された人間が現実世界のイベントに賭けることができる、予想マーケットプレイスのミニアプリ。認証されたユーザーの助けを借りて、より信頼性の高い多様な市場を構築するアプリ。

• Aqua: World IDに依存して実在の人物の行動を特定するミニアプリで、コンテンツ作成者が機械的な行動ではなく、実際の人間同士のやり取りに基づいて報酬を得られるようにします。

• Worldle：認証された人間が互いに競争し、賭けをすることを可能にする、検証された人間対人間のゲーム。

ワールドチェーンのネットワークは、認証された人間がさらなる利点を享受できるように設計されています。本物の人間のアカウントのガス代は、認証されていないアカウント（ボット）によって部分的に賄われるため、本物の人間はより低いコストで、チェーン上でのビジネスやアプリケーションの動作により大きな利益を享受することができます。

スケーリング戦略

ワールドはネットワークであり、ユーザー数が増えれば増えるほど、ネットワークの価値は倍増します。現在、ワールドのネットワークは1200万人の認証済みユーザーを抱えており、より多くの新規ユーザーを獲得することを目標としている。無料トークンによってインセンティブを与えることは、初期の獲得オプションではあるが（かつてのPayPalの10ドルマーケティングに似ている）、現時点での実際のボトルネックは、物理的な認証リンクである。

この制限を打破するために、ワールドはOrbデバイスの大量製造と国境を越えた流通を推進しており、ATMのようにユビキタスなものにし、認証プロセスにおける人間の介入コストを劇的に削減することを目標としている。現在、Worldチームは、大規模な国境を越えた認証を可能にするSelf-Serve OrbとOrb Miniを開発している。

認証の限界を突破した後の次のステップは、より多くのシナリオとアプリを構築し、ユーザーの粘着性と活動性を高めることです。現在までに、World Appの累計ダウンロード数は5500万を超え、巨大なMini Appのエコシステムは、新たなシナリオや新たなビジネスモデルの原動力となり、将来のユーザー獲得と維持のための大きなスペースとなります。

ワールドは2024年に米国で画期的な事業展開を行い、5月に米国市場への参入を発表し、アトランタ、オースティン、ロサンゼルス、マイアミ、ナッシュビル、サンフランシスコなどの都市で最初に稼働を開始した。同社は、2025年末までに米国内に7,500台以上のOrbユニットを配備する計画で、小売パートナーと協力して、人通りの多い商業施設に有効なデバイスを大量に配備しています。

ワールドの当面の目標は、今年末までに5,000万人を認証することであり、長期的なビジョンとしては、地球上のすべての人間を認証することである。

ワールドの当面の目標は、今年中に5,000万人を認証することで、長期的なビジョンは地球上のすべての人間を認証することです。

さらに、ワールドは最近、「Human and You Know It」と呼ばれる、このコンセプトが実際に使われていることを示す初のコマーシャルを米国で開始した。

政府との関係

ワールドに対する多くの人の第一印象は、プライバシーに関する法律や規制を回避しているというものですが、その逆もまた真実です。かつてワールドは、香港、ケニア、スペイン、ポルトガルでの事業停止を要請されるなど、特定の市場への参入で困難に直面した。しかし、近年では態度が変わり始めている。

その理由のひとつは、新しい技術やパラダイムへの理解と受け入れを提唱するために、現地当局や規制当局とのコミュニケーション、普及、協力に積極的に取り組んでいることだ。最近、ワールドはタイ、フィリピン、インドネシアなど、東南アジアのデジタル先進市場で大きな躍進を遂げました。ワールドは市場に参入する前に、テクノロジーとそのプライバシー保護について規制当局と積極的にコミュニケーションを図り、データプライバシーとコンプライアンスの課題に対処するために、一流の法務・広報チームを設立しました。

その好例が、マレーシアのMyEGと提携し、MyEGの多数のサービス店舗でOrb認証を提供したことだ。 MyEGはもともと、運転免許証の試験やIDカードの更新といったオフラインサービスを提供していたが、ワールドの技術が結実したシナリオのひとつとなり、既存の行政インフラとの接続やデジタルIDの構築において大きな一歩を踏み出した。これは、既存の行政インフラに接続し、デジタル・アイデンティティの標準を共同作成するワールドの能力と可能性を示している。

Commercialisation and Potential Upside

Lasで、WorldはWorld IDの将来の商業化のビジョンを発表しました。ワールドは、ワールドIDの商業化の将来の方向性に関する最初のビジョンを発表した。最も基本的な商業化の道筋は、World Chainネットワークに取引手数料を請求することであり、World IDサービスを呼び出すアプリケーションに手数料を請求することに主眼を置いている。料金体系は、認証料金（認証プロバイダー用）とプロトコル料金（World IDプロトコル用）の2つに分かれる。初期の投資家として、私たちはWorldプロトコルがすでにステークホルダーに真の優れた価値を提供していることを示す、この価値獲得ソリューションに勇気づけられています。

合理的な仮定で投資シナリオを構築すると、Worldが世界全体で50億人（世界人口の約60%）のユニークな人々の認証を完了したとき、認証されたユーザー1人あたり年間5ドルで、この契約は250億ドルの年間収益を生み出す勢いです。この協定による年間収益は250億ドルになると予想される。一人当たり年間5ドルで、これは世界の一人当たりGDPの5ベーシスポイント未満であり、これは非常に合理的であると思われる。そして、グローバル広告のような大きな市場において、ワールド社が提供する認証サービスは、このレベルの普及を達成するのに適した位置にある。妥当な評価倍率では、年間売上高250億ドル、フリーキャッシュフローへの転換率ほぼ100％で、時価総額は2500億ドルを超える勢いだ。

結論

私たちは、ワールドチームが達成していることに自信を持っています。彼らは、今日と明日の大きな重要課題の1つ、すなわち、AIが急速に拡大し、現実と人工の境界線がますます曖昧になる時代において、独立した実在の人物を決定する能力を正確にターゲットにしたプロトコルを構築したのです。特に、複数の国でデジタルIDに対する考え方が変化していること、Worldが米国市場への進出に成功していること、World IDがさまざまなシナリオや地域で採用されていることを考えると、Worldにとってのチャンスはタイムリーであり、かつ巨大なものです。

もちろん、Worldの長期的な目標への道のりは長く、答えるべき正当な疑問が数多くあります。そのインセンティブは機能するように設計されているのか？その暗号通貨は市場サイクルやボラティリティの影響を過度に受けやすいのか？伝統的なハイテク大手がデジタル・アイデンティティ市場に参入する中、果たして勝ち残れるのか？結局のところ、非中央集権的で検閲に強いソリューションが理論的に優れているからといって、それが現実に最終的な勝者になるとは限らない。

しかし、AIがビジネスや社会に浸透するにつれ、安全でセキュアで普遍的なデジタルIDソリューションの構築におけるワールドの重要性はより明らかになりつつあり、主流メディアと市場のコンセンサスの両方によって徐々に認識されつつある。ここ数ヶ月の間に、ウォール・ストリート・ジャーナルとタイム誌は、AI人気、支払い、社会的シナリオにおけるワールドの認証の重要性を強調する特別レポートを発表した。ブラックロックもまた、その年次株主書簡の中で、オンチェーン・パス・スルー経済の将来の構築における「人間認証」の戦略的意義に言及している。

これまでの経過を見ると、ワールドは初期段階にもかかわらず、素晴らしい軌跡を描いている。サム・アルトマン（OpenAI CEO）を取締役会会長とする先見性のある経営陣は、極めて野心的で潜在的に巨大なスケールのビジョンを持って、デジタル認証の世界を着実に拡大させている。今後、Worldが新しい市場に進出し、より戦略的なパートナーシップを構築し、Mini Appのエコシステムが繁栄し続けることを期待しています。初期の投資家として、私たちはこの一翼を担えることを光栄に思い、将来を楽しみにしています。