イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が何度も「技術はほぼ完成している」と主張しているにもかかわらず、テスラの完全自律型ロボットタクシー構想はいまだ達成されていない。
マスクは以前から、テスラのオーナーが自分の車をロボットタクシーとして稼働させることで、近いうちに収益化できると示唆していた。
しかし、このビジョンはまだ実現していない。
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テスラが推し進める国産ロボット
テスラのヒューマノイドロボット「オプティマス」プロジェクトは、世間からの評価に苦しんでいる。
同社は、ロボットに扮した人間による宣伝スタントと、そのロボットが人間によって遠隔操作されながら仕事をこなす様子を映したビデオを公開し、批判にさらされた。
そのため、プロジェクトの進行に疑念が生じた。
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停滞するベガスループとロボタクシーへの憧れ
マスクのもうひとつのベンチャー企業であるボーリング・カンパニーは、自律走行車用の高速トンネルシステム「ベガスループ」の建設を計画していた。
初期の約束にもかかわらず、トンネルは2.4マイルにしか及ばず、乗客はまだ自律走行車ではなく人間のドライバーに頼っている。
ロボットタクシーが完成間近であるというマスクの継続的な保証は、特に管理された環境でさえテスラが人間のドライバーに頼っていることを考えると、ますます可能性が低くなっているように思える。
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自律走行車の課題
マスクの自動運転車に対するアプローチは、コンピューター・ビジョンにカメラを使用することに重点を置いており、その姿勢には賛否両論がある。
多くの自律走行車メーカーが安全性と機能性を高めるために追加のセンサーを使用するなか、テスラはカメラのみのシステムにこだわり続けている。
専門家は、自動運転技術に関連する問題の大半は解決されたものの、エッジケースと呼ばれる残された課題を克服するのは難しいと主張している。
国産ロボット:よりシンプルな市場への道?
完全自律走行車とは異なり、家庭用ロボットが消費者向け製品として実用化されるには、同じレベルの技術的複雑さに達する必要はないかもしれない。
部分的な自動化で効果的に機能し、市場投入が容易になる。
このことは、消費者向けロボット分野が、テスラの長年の懸案であったロボットタクシーよりも早く発展する可能性を示唆している。