AO対ソラナ：アルウィーヴの創業者が革新のスケーリングについて語る

著者：サム・ウィリアムズ（Arweave創設者）、翻訳：0xjs@GoldenFinance

AOはソラナと同じTPSができるのか？

答えは「はるかに多い」です。なぜか？メッセージです。

私はSolanaのエンジニアリングを尊敬していますが、それは開発者ではない人たちに過小評価されがちです。AOとSolanaの違いとトレードオフについて掘り下げてみましょう。

はじめに：メッセージングとは何か？ 

コンピュータサイエンスでは、システムへの複数の入力（トランザクションなど）を同時に処理したい場合、これを「並列処理」と呼びます。共有メモリとメッセージパッシングという2つの基本的なアプローチがあります。それぞれを順番に見ていきましょう。

共有メモリ

Solanaは非常によく最適化された共有メモリマシンです。これは、各コントラクトが他のコントラクトのメモリを直接読み書きできることを意味します。

これにより、「状態」（プログラム内のデータ、たとえば残高など）を同期的に更新することができます。これは便利ですが、あるユーザーがプログラム内のデータにアクセスしても、他のユーザーはそれを変更できないということでもあります。ロック競合 "と呼ばれるプロセスで、他のユーザはお互いを待つことになる。

アリスがデータを "ロック "し、それを変更し、"ロック解除 "し、ボブはそれにアクセスできる。彼らは基本的にキューを形成します。

共有メモリシステムは、あるポイントまでスケールアップすることが可能で、Solanaは、私がこれまでトラストレス環境で見た中で最も最適化された設計を開拓しましたが、その後停止しました。

さらに拡張するためには、別のアプローチを取る必要があります。

メッセージング

AOは、メッセージングという別のルートによって超最適化されています。

AOでは、各「コントラクト」はそれ自身の非同期プロセスです。各プロセスは、単一のCPUスレッドの速度で独立して実行され、対話が必要なときに他のプロセスにメッセージを送信します。各プロセスは、コンピュータ上の1つのプログラム、またはロールアップ/アプリケーションチェーンの非常に高速なバージョンと考えることができます。

アプリケーションの1つのプロセスのスループットを使い果たしたら、アプリケーションを任意の数の他のプロセスに分割することができます。

より多くのプロセス - より高いスループット - より幸せなユーザー。

AOでホストされる並列プロセスの数には、実際的な制限はありません。唯一のプロトコルの制限は、Arweaveから受け継いだもので、2^256バイト以下です。サイズ的には、宇宙に存在する原子よりも多い。

一方で、ネットワーク内の他のすべてのプロセスのメモリに「グローバル」にアクセスすることはできません。

幸いなことに、コンピュータサイエンスの分野では、この技術を50年以上にわたって研究・展開しており、簡単に使えるようになっています。これはアクター指向プログラミングと呼ばれるもので、AOという名前はここから来ている。インターネット上でユーザーが利用するほとんどすべてのサービスは、情報、ウェブサイト、そしてTradFiのエコシステム全体など、メッセージングを使って構築されている。インターネット自体もメッセージング・マシンなのだ。

AOのイノベーションは、このアプローチをブロックチェーンとスマートコントラクトに応用することだ。私たちはArweaveを構築するためにオンチェーンストレージのスケーラビリティ問題をすでに解決しなければならなかったため、Arweaveをメッセージングレイヤーとして使用することでAOを構築し、そのスケーラビリティを「無料で」継承しています。

あらゆるサイズのオンチェーンデータ - > あらゆるサイズのオンチェーンメッセージ。

このシステムの最初の用途は金融分野かもしれませんが、そこにとどまるとは思いません。すべてのプロセスが非同期である場合、いくつもの計算が互いに影響を与えることなく、ネットワーク内で同時に実行することができます。

あなたはAOを使って計算量の多いAIインテリジェンスを実行し、私はそれを使って店でコーヒーを買うことができます。私たちのプロセスは独立しているので、どちらもシステムへのアクセスを他と競う必要はありません。全世界の計算負荷をカバーするためにスケールできない理由はない。

要約すると:

メッセージパッシングによる共有メモリもなく、ロックの競合もなく、スケーリングも可能です。

そしてコストは？グローバルメモリへの共有、同期アクセス。

AOSが提供する適切なツールを使えば、このコストはほとんど目立たない。良い取引のように思えます。

これは、コンピュータ科学者が延々と議論し続けられるトピックです。ニュアンスの違いはたくさんありますが、これを読んでいただければ、おめでとうございます。

Solanaは、ブロックチェーンにおいて共有メモリのパラダイムを論理的に終結させる、よく設計されたマシンである。 AOのテストネットワークは2ヶ月間稼働しており、現在Solanaのユーザートラフィックの約6％を処理しています。

AOは無限にスケーラブルに成長する明るい未来を持っている。