バイナンスの上級役員であるティグラン・ガンバリヤン氏は、保釈審問が5月17日に延期されたため、ナイジェリアでの収監が続くことになった。彼のマネーロンダリング事件の公判が間近に迫っていることが、公判後に保釈申請の問題を取り上げたいアブジャ裁判所の意向による延期の理由と言われている。
バイナンスとアブジャの苦境 バイナンスの金融犯罪コンプライアンス部門は、米国人で元内国歳入庁捜査官のガンバリアン氏が率いている。バイナンスのアフリカ地域マネージャーで、英国とケニアの市民権を持つアンジャワラは、2月26日に逮捕された。逮捕されたのは、彼らがアブジャに到着した直後のことで、起訴状によれば、彼らは犯罪を共謀したとされる関係者と会う予定だった。
ナイジェリア政府は当初、バイナンスがナイジェリア・ナイラに不利な為替投機を行うことを許していると非難していた。
ガンバーリャンとアンジャワラは当初逮捕されることはなかったが、渦中のスピードで不逮捕から自宅軟禁へと状況が変わり、1カ月も経たないうちにマネーロンダリングと脱税の容疑で当局から正式に告発された。
その後、アンジャワラはナイジェリアから謎の失踪を遂げた。ガンバーリャンは有名なクジェ刑務所に入れられたが、この刑務所にはボコ・ハラムの容疑者も収容されていたという。そしてビデオメッセージ しかし、アンジャワラが同僚の去った後にどのような計画を立てているのかは知らなかった。
ガンバーリャンの拘束に対するアメリカの反応は非常に鈍かった。クジェ刑務所に移されて以来、ガンバーリャンは大使館員による面会を一度しか受けていないし、クジェ刑務所では、適切な弁護を受ける機会は非常に限られている。
彼の妻であるユキ・ガンバリヤンは、夫の処遇を非常に不公平で非人道的なものだと非難した。彼女は、勾留中の夫が40歳の誕生日を迎えるにあたり、引き続き苦しんでいること、そして夫の前途に不安を感じていることを表明した。
その対抗措置として、ガンバーリャンとアンジャワラはナイジェリアの国家安全保障顧問と経済金融犯罪委員会を相手取り、人権侵害を理由に訴訟を起こした。ガンバーリャンは無罪を主張している。
マネーロンダリング疑惑をめぐる裁判は5月2日に開始される予定で、脱税容疑は5月17日から別扱いとなる。前回の公判で、経済・金融犯罪委員会はガンバーリャン被告の保釈申請に反対し、ガンバーリャン被告がパスポートを押収された後、新たなパスポートを取得しようとしたこと、またアンジャワラ被告が出国しようとしたことから逃亡の危険性があることを示した。
一方、検察側は、ガンバーリャンがナイジェリアのコミュニティーに愛着を持っておらず、釈放することの潜在的な危険性を強調している。一方、ガンバーリャンの弁護側は、彼が実際に拘留されていることを裏付ける証拠はないと反論した。そして、ガンバーリャンが逃亡計画や犯罪に関係していることを示す証拠はないと強調した。